Freud quotidien

フロイトおよび精神分析をめぐるエッセー、スローリーディング、書評、試訳などなど

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

トランプとセラピストたち

2月21日付のロサンゼルス・タイムズにトランプ現象が精神医療におよぼす影響についての記事が出ている。 いわく「なぜセラピストたちはトランプについて語るのにかくも難儀するのか?」 記事によれば、トランプ現象によってトランプ支持者および非支持者の…

ラカン的真理とトランプ的真理

Lacan Quotidien n°610 (2016年11月17日) においてアリス・ドゥラリュが指摘しているように、トランプのことばは自己検閲を逃れ、侮辱や憎悪が言表行為のレベルにとどまることなく言表のレベルにダイレクトに現れている。 The art of deal(邦訳『トランプ自…

ラカンとポスト・トゥルース

Lacan quotidien 627号(2月21日付)にナタリー・ジョデルが「非理性の時代」という記事を書いている。 ジョデルは二十一世紀をサンボリックな二元性が曖昧化している時代と捉える。そこではさまざまな境界、分離、差異が消滅し、区別不可能になっている。 …

「幻想」としてのトランプ現象

e.c.f. 発行のウェッブ・ジャーナル Lacan quotidien 626号(2月20付)によれば、トランプ現象とはアメリカの「症状」ではなく「幻想」なのであるらしい。 ホルヘ・アレマンによると、トランプは一見すると資本主義の「ネオリベラル的危機」の症状のように…